「鉢植えの植物って、ただ大きくすればいいってもんじゃないよね」
そんな単純なことに気づいたのは昨年でした。
それまで、挿し木して増えれば嬉しいし、大きくなれば小さく切りそろえることも思いつかずみんな育ちすぎて、窓際はめちゃくちゃな様相を呈していました。
基本、手入れの簡単な、水管理の心配をあまりしなくていい植物が好きですが、ときおり新しいものに手を出してみることがあります。
そして、水遣りが大変だったりすると、
「失敗した」
と反省しているうちに、消えてしまいます。
カクチョウラン(鶴頂蘭)もそんな植物でした。
お蕎麦屋さんで見て、葉が気に入って、ネットで二株取り寄せたものでした。
普通の土に植えていたら、お蕎麦屋さんに、
「普通の土だと、花が咲きませんよ」
と、言われて、ラン専用の土をいただきました。ラン専用の水はけのよい土に変えてから、水遣りが難しく、ちょっと持て余しはじめました。
しかも、動かないでじっとしている、ゴマのようなアブラムシがびっしりつき、葉もべとべとでした。アブラムシは取りきれないところにも入り込んでいるし、葉は雑巾で拭いてもきれいにならないし、とうとう一株は弱ってしまい、一株だけ残りました。
その一株も、姿も美しくなく、仕方なく面倒を見ている感じでしたが、なんと花芽が出てきました。
母上の形見だというお蕎麦屋さんのカクチョウランは、株も大きく、見事なものですが、何十年も育てていて、確か花は一度咲いただけとうかがっています。
私も、花はあまり期待していませんでした。ただ株が大きくなって、葉が楽しめればいいと思っていたのに、思いがけないプレゼントでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿