2017年1月20日金曜日

Shigeさんの拾いもの

しばらく前というか、昨年の話だけれど、福井でShigeさんのビーチコーミング講座があった帰り、Shigeさんの家に泊めていただいて、コレクションを見せていただきました。
漂着物コレクションは、素晴らしく整理されていたのですが、見るのに夢中になって、写真はまったく撮り忘れてしまいました。


そのShigeさんの家の玄関です。
自分でモルタルを塗られたのでしょうか、いろいろな、浜で拾ったものばかりが埋め込んでありました。このような仕事は、埋め込み過ぎては、セメントがかぶって見にくくなります。かといって、よく見えるようにと浅く埋めると、すぐ剥がれてしまったりします。
それなのに、どのサークルも、ほどよく、きれいに埋めてありました。
つくりかたは、まず出来上がりより7-8ミリ低く、コンクリートを打ちます。少し固まりかけたときに、ガラスや陶片を並べます。
その上に、ゆるめのモルタル(コンクリート材料から砂利を除いたもの)を、置いたものの縁がかぶるくらい流します。そして固まりかけたときに、濡れた布で、石やガラスなど置いたものの上に被ってしまったモルタルをきれいにふき取ります。
板を渡したとしても足場は悪いし、やり直しは聞かないので、丁寧な仕事が求められます。


シーグラスたち。
なかでも、割れてしまったガラス浮きの「へそ」が、とっても素敵です。


「これはなんだろう!」
ただの石には見えません。化石でしょうか?それとも、全部メノウでしょうか?
引き込まれるような石たちでした。


陶片は、どれも印判以前の、江戸時代や明治のものなどです。
一番手前は、Shigeさんの好きな、「くらわんか碗」の五弁花模様です。くらわんか碗とは、江戸時代の雑器で、大型船に飲食物を売った、小さなくらわんか舟で使われていました。
「めしくらわんか、さけくらわんか」
と叫んで、くらわんか舟は、港や河口のあたりを行き来していました。


ここにも、五弁花や蛸唐草などが見えます。
どの模様もとっても素敵、鮮やかなコバルトが出回る前の呉須の色がきれいです。


江戸末期には、こんなに巧みな絵を描ける陶工たちがたくさんいて、目にも留まらないような速さで次々と絵付けをしていったのでしょう。
Shigeさんは、これらの陶片を、おもには渥美半島あたりで拾われたものだと思いますが、ほとんどは伊万里、波佐見など、九州でつくられたものです。
とっても素敵でした。








8 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

素敵ですね!!!自分でやったのかな~?特に石がただモノではない感じ。さすがに拾い物ライターは埋まっていないですね(笑)。

ろっかく さんのコメント...

ビー玉の埋まっているお宅を見たことがあります。漂着物が埋めてあるなんて、素敵ですね!ガラス浮きのヘソがいいな~

さんのコメント...

hiyocoさん
頼んでやってもらったらこうはならないでしょうね。
石がすごいでしょう!薄暗いところだし踏んづけてしまうところだけど、すごいクオリティーでした。
ライター?カメラのキャップとともに、あっちに引き出しこっちの引き出しいっぱいありましたよ(^^♪でも、さすがに玄関には使わなかったようでした。もっとも、れれれのおじさんほど素敵なライターは見かけませんでしたよ(笑)。

さんのコメント...

ろっかくさん
ガラス浮きのへそは本当に味があります。一個見てもかわいいのに団体だなんて...。コレクションの引き出しにも詰まっていましたよ。
あと、「わぁ」と思ったのが、水の入ったガラス浮きでした。漁のとき水深の深いところまで持って行かれると、水圧で中に水が入るけれど、一度入ったらもう出て行かないとか、水の入ったガラス浮きがいくつもあって、不思議な感じでした。
拾ったものって、場所、日時とかあるし、似たものどうしもあるし、どうやって分類・整理して、しかも日常的に見て楽しむか、難しいけれど、楽しい作業ですね。

Shige さんのコメント...

ご紹介、ありがとうございます!(笑)
石はどれもメノウの仲間です。福井で拾ったものです。
陶片は渥美半島ではありません。漁師さんたちは、このような食器を使えなかったのかもしれません。陶片類は知多半島、それに福井が多いです。福井は北前舟が停泊していた港がありますし、知多半島は名古屋目指していく船の要所には港があり、そんな場所近くでは古いものが見つかります。

さんのコメント...

Shigeさん
どうしようか迷っていましたが、あんまり素敵なのでUPさせていただきました。
全部メノウの仲間ですか。福井と言っても、あのメノウ加工工場が捨てた破片じゃないですね。どれも波や砂に洗われて、素晴らしい石に育っています。
渥美半島と知多半島、いまいち、正しく位置関係を把握していませんで、失礼しました(笑)。そうですね、くらわんか椀は雑器ですが、中には高価な古伊万里もありますものね。
カンボジアの骨董屋で、フィリピン沖に船ごと沈んでいたという、中国の染付の大皿の数々を見たことがありました。もちろん私が買えるような値段ではなかったのですが、その時初めて海から引き揚げた焼き物を見ました。なんか、育っている感じでした。
まだまだ、日本の海にも世界の海にもそんなものが沈んでいると思うと、ロマンを感じますね。

ペルカ さんのコメント...

素敵なブログですね。ほっこりしましたし、自分もそういう家を作りたいと野心にも火がつきました。ほっこり炎。

さんのコメント...

ペルカさん
コメントをありがとう。見逃していてごめんなさい。
家は、しんどいけれどその気になれば作れますよ。しかも面白くなります(笑)。
いろいろあって、息子が来ることになって、これからも家をつくり続ける日が続きそうです。