あれは、連休が始まって間もない日、客人を連れて茅葺き屋根の大場ぶどう園に行ってみました。
ブドウの季節にしか行ったことがなくて、あまり気をつけてみたことがなかったのですが、立派な藤棚があって、フジの蕾が膨らんでいました。
最近では藤棚も鉄パイプでつくる人が多くなりました。長持ちするからです。
でも、風情としては、鉄パイプは、木や竹に数段も、数十段も劣ります。木や竹でつくると、藤棚は六年ほどしか持たないそうですが、大場さんは、自然素材にこだわっていらっしゃいました。
このフジの木は、樹齢百年ほどのもの、普通のフジに桃色のフジを継いだものだそうです。
根元に、木を置いたように見えるのは、根っこです。
三、四日後、
「さつきがいるかい?」
と電話がありました。
庭園もブドウ園も、手入れが行き届いている大場さんの家ですが、サツキを整理して、さらにきれいにしようとしているらしいのです。
駆けつけてみると、作業場の裏の築山のはずれのサツキは、大きなものばかり、掘る体制を整えて、出直すことにしました。
フジは開きはじめていました。
いつも、ブドウが実る季節しか行かないのですが、春の大場さんちはとっても素敵でした。
茅葺の家に手入れされた庭がよく映えていました。
これから秋まで、大忙しだそうです。
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