トキワギョリュウの実です。
その昔、バンコクに住んでいたとき、市外を出て、すぐに目にするのは、田んぼや畑の境界線に植えられた、一直線に並ぶ、トキワギョリュウ(モクマオウ、
Casuarina equisetifolia)でした。マンゴーのように丸っこい樹形の木の好きな私は、背ばかり高く、葉も枝も疎な、ひょろひょろしたトキワギョリュウには、全然関心を持ちませんでした。
何年もたって、塩害に強い木を調べていたとき、トキワギョリュウは塩害に強い木であることを知りました。また、松のように細い葉ですが、常緑広葉樹であることも知りました。
植生の貧しくなった地域で、塩害は深刻です。塩で汚染された土地や、海岸でも育つ木であるということは、それだけで素晴らしいことなのです。
もともとはマングローブやニッパヤシが海岸線の侵食を防いでいたのですが、今では、モモタマナやトキワギョリュウも、東南アジアのあちこちの海岸で土壌浸食を防いでいます。マングローブやニッパヤシに比べると、その周辺の環境を選ばない、どこでも育つモモタマナやトキワギョリュウは、人々にありがたがられています。
というわけで、どんな砂浜にも、モモタマナやトキワギョリュウの実が転がっています。
これは、クラビの町から来たときの船着場。手前がモモタマナで、その奥に見える、細い葉っぱがトキワギョリュウです。
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