2010年2月16日火曜日
ナンバンアカアズキ その2
クラビの友人の家は、もともとの森だったところを、大木を残して開発し、宅地にした一角にあります。広い敷地には、もとからの木もあり、あとから植えた木も大きく育っていました。
ナンバンアカアズキの木もありました。ナンバンアカアズキの実は、くるくるっとスパイラルになった莢に入り、季節になると、下が赤く染まるほどの種を落とします。
種が落ちる季節はとっくに過ぎていまたが、木の下を丹念にさがしてみると、残っていた種が見つかりました。ところが、どれも、とてもとても小さな種でした。
右がクラビで拾ったナンバンアカアズキの種です。左の以前に拾ったものと比べると、その小ささがわかります。同じ種とは思えないほどです。以前拾ったものは、幅が8ミリほどありますが、クラビのものは、4ミリほどしかありません。
きっと潮風に、あまり強くない木なのではないかと思われます。
40年ほど前、アフガニスタンがまだ内戦状態になってなくて平和だったころ、パキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコとまわるツアーに参加した友人がいました。これは、彼からお土産にもらった、ナンバンアカアズキの種の中をくり抜いて、象牙(象の骨)でつくったミニチュアの象を入れ、やはり象牙でつくった蓋をしたものです。幅は8ミリですが、蓋は豆に開けた穴の形につくられていて、ぱちんとはまります。
1ドルが360円の時代でしたが、確かツアーの代金が当時の年収ほどの、85万円だったことを聞いて、「ひゃー」とびっくりした覚えがあります。辺鄙な各所はチャーター機でまわる、豪華な旅だったようでした。
めったに開けたことがないのですが、写真を撮ろうと、開けて中身を出してみました。小さくて薄い象が、31匹も入っていました。手ではつかめないほどの大きさですが、どうやって細工したのでしょう。全部、足や鼻が彫り抜いてあります。
1998年でしたか、ニューデリーの友人を訪ねたとき、おみやげ物屋に同じようなものを売っていたので、懐かしくて買ってみたことがありました。でも、大きくて分厚く、雑なつくりの象が、5、6匹しか入ってなくて、がっかりしました。やはり、手仕事の技術はどこでも確実に低下しているようです。
もっとも、私につくれといわれたら、蓋の象さえ小さすぎてつくれませんが。
写真を撮り終えて、種の中に象を戻すときは一苦労でした、ピンセットでもつかめなくて、薄い紙に乗せて、何度かすくい入れ、やっと収めることができました。
右が以前から持っていたナンバンアカアズキ、右下がクラビのものです。ナンバンアカアズキは変色しないと言われていますが、お土産のもの、久し振りに出してみたら、すっかり深い色になっていました。
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2 件のコメント:
このナンバンアカアズキの大小、私も気になっていました。
両方の木を見つけることができたので、色々と比較し、調べたところ、どうやら単なる個体差ではなく、別種のようです。
通常のナンバンアカズキはAdenanthera pavoninaですが、小さいほうのものは、A. microspermaとのことです。学名からして小さな種子を意味する名前が付けられていますからほぼ間違いないでしょう。
いずれにしても、小さいものは見かける頻度がずっと少ないので、貴重です。
Tomokiさん
そうなんですか。
欲張りでなんでも大きい方がいいと思っていましたが、小さい方が珍しいのですね。
種の色も大きい方がちょっと黒っぽいでしょうか?
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