2010年11月22日月曜日
後日談
八郷には、ベーハ小屋がまだあちこちに残っています。
ベーハ小屋とは、米葉、つまりアメリカからもたらされたタバコの葉を、乾燥させるための建物です。小舞を組んだ土壁で、小さなのぞき窓以外は窓を開けず、上に煙り抜きの小屋根がついています。この中に、摘んできたタバコの葉をつるして、火を焚き、乾燥させました。
今では、八郷全体でも、タバコを栽培している農家はほんのわずかです。もちろんタバコの葉は、ベーハ小屋など使わず、乾燥機で乾燥させています。
これは、しろうさんのベーハ小屋ですが、ちよさんの家にも、たけさんの家にも、ベーハ小屋が残っています。
ちよさんの家のベーハ小屋は、バーハ小屋の特徴である、煙り抜きの小屋根をはずして、長いあいだ物置として使われてきました。あとからつけ足した深い庇は、洗濯物干し場として、重宝していたようですが、柱が腐って傾いてきたので、昨日壊されてしまいました。
セメント瓦の下には、杉の皮が敷かれていました。昭和30年代の建物です。
ちよさんの家の前には、いまでも犬猫を捨てることへの、警告板が立っています。
孫のまゆみさんが、山で二匹の捨て犬を拾ってきたのは、六月のことでした。
気のいい雄は、フィラリアの検査をして、避妊手術をすると、すぐもらわれていきました。雌の方は、妊娠していないことを確認してから避妊手術をしたので、あとに残りました。
避妊手術もすみ、いざもらわれるときになって、里親になろうとしている家まで行ったのですが、激しく吠える、噛みつこうとするなど、まったくなつこうとせず、とうとう、連れ帰られてしまいました。
「そら」と名づけられた犬は、いつも歯を剥いて、ワンワン吠えて、憎たらしい犬です。
しかし、家族にしか心を開かない犬は、家族にとっては、ひとしお可愛いものであることは、私にもわかります。
それにしても、憎らしい。
夕方近く、ベーハ小屋は姿を消しました。
材木は、クレーンで前の田んぼに運ばれ、田んぼでは今日も燃やす作業が続いています。
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2 件のコメント:
こりゃ・・・ヤだな。
本当に小憎たらしい顔したイヌだこと。(笑)
Shigeさん
あはは、それを言っちゃおしまいです。もっと歯を剥いて、死ぬほど吠えます。
あと二匹いて、彼らはなつっこいのですがね。
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