最初に行ったフィヨルドで、夫も石を拾ってくれましたが、その一つがこれでした。
「重いだろうから、要らない石があったら置いて行って。庭に置くから」
とアンに言われ、この石は置いて行く石として、窓枠に乗せておきました。だって、ありふれた砂岩です。
この面もちょっと顔に見えますが、
こちらの面はもっと顔に見えます。
石は、片方の眉をつり上げて、なにか言いたげです。
「置いて行かないで」
そのうち、
「辮髪の王さん」
などと名前をつけて、馴染んでいたら置いて行けなくなり、連れて帰ってしまいました。
王さん、嬉しいかな?
これも夫が拾ったレンガです。
「拾った時は割れてなかったの?」
「いや、割れていたよ」
私なら、割れていたら拾いません。
「すぐ近くに落ちていたの?」
「いや、遠くはないけど、離れていた」
これも「置いて行く石候補」だったのに、連れて来てしまいました。
さて、最初のフィヨルドでアンが拾った石。
「珍しい石じゃないけれど、窓のところの飾りにしようと思って」
と言ってたとおり、
さっそく窓辺に置かれていました。
アンに
ウニの化石をもらったとき、アンはウニの化石とただの石を分けてしまいました。
「あら、この石はどうするの?」
「庭に置くのよ」
「もらっていい?」
「もちろんよ」
というわけで、あの黒くてまん丸い石、私のところへ来てしまいました。
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