遠野の一市通りの籠屋さんの軒先には、サイカチの莢がぶらさげてありました。
売りものかどうか、訊ねようと思っていたのに、いざお店に入ったら東北色の籠に夢中で、サイカチのことは訊き忘れてしまい、しばらくして引き返した時はもう閉まっていました。
「あれっ、ここにもサイカチが」
と思ったのは、花巻の農業伝承館でした。
しかし、農業伝承館では、織りものの道具ばかり見て、サイカチのことなど、気にもしませんでした。
サイカチにはサポニンが含まれているので、昔は石鹸として売られていたのでしょうか。それとも、去痰や利尿の生薬として使われていたのでしょうか?
と、ここまで書いたところで、hiyocoさんに教えていただいた、「湯がすり」の載っているブログの、「よねちゃんの車中泊旅行記」の農業伝承館の記事を見ていたら、サイカチの写真が出てきました。
「よねちゃんの車中泊旅行記」より |
すごい、よねちゃんは何でも記録しています。
このブログには、サイカチは、生薬と石鹸のために常備されていたと書いてありました。わざわざ農業伝承館に収蔵してあり、よねちゃんの記述は説明書の写しだと思われるので、花巻、遠野辺りで広くサイカチが使われていたのでしょう。
サイカチは本州の中部以南から九州、四国に自生しています。
関東の八郷にも、トゲが多いことからサイカチを鬼門に植えている旧家があるので、本州中部以北でも育つのかもしれませんが、サイカチを生薬として、石鹸として常備するという話は、これまで、別の地方では聞いたことがありませんでした。
岩手あたりだけで、かつて、生活に必要なものとして、サイカチを常備されていたのでしょうか?
2 件のコメント:
おはようございます。
地元山形県の川西町に幹の直径2m程のサイカチの大木があります。多分古い時代に植栽された物だと思いますが、「洲島のサイカチ」として町の天然記念物になっているようです。
かねぽんさん
ありがとうございます。山形にあるということは、岩手でも有用樹として昔から植えられてきた可能性大ですね。遠野の籠屋さんによく聞けばよかった、籠で盛り上がってすっかり忘れてしまっていました。たいてい、一度に一つのことしか考えていません(笑)。
八郷でサイカチを鬼門に植えたというのも面白いのですが、いろいろな木が、もうみんな忘れてしまっているけれど燃え難くて防火の役割を果たしたとか、かつては意味を持っていたのでしょう。面白いことですね。
でもサイカチはあの棘が災いして、今ではあまり植えないですね。
ムクロジの石鹸機能は前から知っていましたが、サイカチの石鹸機能は最近まで知りませんでした。私も莢を持っていますが(笑)。
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