せっかく穂が出た稲を刈り払い機で刈り倒している人がいました。
気になって、車を降りてみたら、おじいちゃんでした。
「今頃刈って、しめ縄にするんですか?」
「いんにゃ、ただ刈っているだけだ」
「えっ、どうして?」
「ヒエが出てよ。しゃぁんめぇ」
見ると、確かにヒエの穂がつき出て見えます。
「コンバインは、お米とヒエと分けてくれないんですか?」
「んだ。どうしようもねぇ」
一反(300坪)はゆうにありそうな田んぼです。
今、日本の農業を支えているのは70代と言われています。そのおじいちゃんも、田んぼの草を取ることも、手刈りも何年もしたことがないし、体力もないので、刈り払い機で刈り倒すしか、方法が見つからなかったのでしょう。
先人たちは一粒でもたくさんのお米をとろうと、田になるところなら、谷あいでも湿地でもどこでも田にしてきました。
今ではお米を食べなくても、輸入小麦でつくったパンやパスタ、輸入蕎麦など、食料には事欠きません。お米の消費量は年々減っています。
しめ縄にするわらでさえ、なにも早く刈って青いわらを使わなくてもいいのにと思っていたのですが、ヒエが生えたからといって、稲が青いまま刈って捨てるとは!
もっとも、ライスセンター(米つくりの協同組合)で耕してもらって、ライスセンターで植えてもらった稲だから、金銭的には損しても、身を切られるようなつらさは感じないのでしょう。
悲しい光景でした。
6 件のコメント:
あらら・・・何とも、もったいない!
Shigeさん
ヒエはイネ科です。ヒエも生えない除草剤ってどんなんだろう?ちょっと怖くなります。
我が家も田植えする前はヒエ田で(笑)、ヒエがアワやキビほどおいしかったら、このままヒエをつくるのにと思ったものでした。
おじいちゃんももっと小さいうちにヒエを抜くという発想が消えていたんでしょうね。そう思ってみると、ときどきヒエの目立つ田があります。
今盛岡に帰省中です。
今はふるい分けできると父が言っていました。
昔はヒエが出ると周りに迷惑をかけるからとか古い呪縛にとらわれていらっしゃったり、等級落とすくらいならイラネとか、そうしなきゃいけないその方なりのいらない理由があったりしたんでしょうね...
toki-sappさん
盛岡は涼しいですか?ずいぶん長いこと行っていないので行きたい!
そうですね。あんなに粒の大きさが違うし。だいたい自分でつくったお米って粒が不ぞろいですよ。でも売っているのって、ばっちり同じじゃないですか。ヒエを取り除くなんて、その気になったら軽いものでしょうね。
同じ日に、ライスセンターの連中(といってもアルバイトのここいらのおじさん)が、三人でそこいらの田んぼに農薬を撒いていました。稲の花が咲いてから撒く農薬って、何でしょうね?写真を撮るのは、角が立つかなと遠慮しました。
このあたり、普通の農家の生産者米価は10キロ2500円ほどです。でも農薬も化学肥料も使っていない友人たちは10キロ8000円から10000円で売っています。売り先には困らないみたい。でも草取りが最大の仕事です。
楽しんできてください。
生産者売価が8000~となると市場売価はいくらなのでしょうね。バブルの頃は、お米屋に
10キロ1万円くらいの商品が沢山並んでいましたが最近は高くて5000円です。八郷のお米きっとおいしいのでしょうね、丁寧に育てたお米ですので。
匿名さん
ちょっと書き方がまずかったです。彼らは市場には出さないで、ていけいで直接消費者に送っていますから、生産者米価であり、消費者米価でもあります。
みんな打ち捨てられた棚田を選んで、冷たい沢の水を使って(水道水のところの方が圧倒的に多い)、イノシシと格闘しながらつくっています。
だいたい都会生まれ、都会育ちですが(笑)。
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