イワタバコ

こんこんギャラリーの「結のはな」展に、イワタバコが出ていました。
kuskusさんが苔玉から育てていて、
「咲いた！」
とブログにUPしていたイワタバコとは、ちょっと雰囲気が違います。
「ずいぶん花が咲いてますね」
「シセンイワタバコのこと？今年初めて育てたんだけど、いっぱい花が咲いたんでびっくり。豪華だよね、これだけ咲くと」
「ふうん、四川省から来たんだ」
「ほら、イワタバコにもいろいろあるから」
と、吉田さんはスマホを取り出して、イワタバコの画像を見せてくれました。
「これは鬼イワタバコ」
そこには、茎の短い濃い紫色の花が咲いていました。
「わぁ、きれい。これはどれも花の茎が短いの？」
「そう」
「これいいなぁ」
「オニイワタバコなら店にはあるから、明日持ってきてあげるよ。いま花は咲いてないけどね」
「明日は用があるから、明後日にして。花はいつ咲くの？」
「初夏」

というわけで、二日後の夕方、オニイワタバコをいただきに、こんこんギャラリーに行きました。
大変な賑わいで、テラスでお客さんにコーヒーをふるまってお相手をする吉田さんは忙しそう、挨拶だけして室内に入ってみました。
その日の当番は、ログビルダーのNさんです。
「オニイワタバコ、あるかなぁ」
「あったけど、kuskusさんが買ったよ」
「えぇぇぇ！」
慌てることはないと思いながら、ちょっと慌ててしまいました。
「吉田さん、オニイワタバコは？」
「あぁ、外に置いてあるよ」

あぁ、よかった。テラスの隅っこに置いてありました。
もう一鉢あって、kuskusさんも、同じ花を買っていったのです。ということは、kuskusさんは咲かせたイワタバコに満足していたということでしょう。どちらかと言えば、花より長く見る葉姿、木姿を大切にする私も、開花が楽しみになってきました。
オニイワタバコ（鬼岩タバコ、Ramonda myconi）は、東ピレネーから、北東スペインにかけて自生している植物だそうです。

「これもあるよ」
と吉田さんが取り出して見せてくれた鉢のラベルには、赤花姫イワタバコ（Conandron ramondioides）と書いてありました。こちらは、日本の紀州以西の山野に自生しているものだそうです。
オニイワタバコも、ヒメイワタバコも、シセンイワタバコと違って、釣り鐘型ではなく、かっと開いた花をつけます。

ところで、どちらも、屋外の半日蔭で育てる花です。
考えてみると、私は鉢植えの植物を屋外で育てた経験がまったくありません。
益子の城内坂通りに、店の周りにたくさんの山野草の鉢を置いて、四季折々に歩く者の目を楽しませてくれるお店があります。どれだけ丹精を込めているものか、ため息交じりに見ていましたが、あいにく私は植物を美しく育てる「魔法の手」を持っていません。
それに、鉢植えの花は、田舎家より町屋の方が似合っている気がします。

とりあえず、木の下に置いてみましたが、冴えないなぁ。

 
よさが半減しています。
条件が整えば地植えできる植物たちですが、それも自信ありません。

「どうしたものか」
そのうち、よい答えが見つかって欲しいものです。