ここに来てから数年は、周りの木々に絡みついていたフジやクズを取り除いてやるのが一仕事でした。蔓は切断しても上の方はからみついたままですが、一年もすると腐り、ばらばらと落ちてきました。
フジもクズも籠に編んだりしますが、存外雨風には弱いんだなというのが印象でした。
来た当時は、見渡す限りの木という木には蔓が絡みついていて、こんもりはしているけれど、その下には何があるのかわからないものもたくさんありました。
木の周囲をぐるりと草を刈ってやるのですが、それでもどこかしらからクズが上って来て、うっかりするとまたクズで覆われたりしました。
今では我が家から眺めるところの木を覆っているクズは少なくなってきましたが、下に篠竹が生えている、足を踏み入れることのできないところの木は相変わらず、というか、今年はずいぶんクズがはびこっている感じがします。
というわけで、いつもは冬にやる山仕事を少々してみました。
こういうクズを見ると、舌を巻いてしまいます。
何かにつかまって上ったのではなく、自力で立ったのです。
今はこんなに太くなっているのでそう不思議に感じませんが、最初はただの細い蔓です。たぶん、新しい蔓が何本か寄せ集まって、お互いに巻きつきいて倒れないようにバランスを取りながら、上へ上へと上って行って、枝につかまったものと思われます。
クズは、春に芽を出したら四方に蔓を伸ばし、何か巻きつけるものがあれば巻きついて上へと伸び、蔓の途中から根を出し、そのうち、地上を這っている蔓は浅い地下に伸びる根となり、どんどん広がっていきます。
この太い蔓、いきなり直角に立ちあがっているところがクズのすごいところです。いったい何年かけてこんなに太くしたのでしょうか。
指と比べて見ると、この太さです。
もちろん、見つけたからには、手の届く高さで切り、根は掘り返せるところまで掘り返して切り、掘り返せなくてもたどれるところも念のために切り、コテンパンにやっつけてしまいました。
といっても、今年も、来年も、再来年も新しい芽を出すに決まっていますが。
私はクズやフジを目の敵にしていますが、クズやフジにとってみれば、最大の敵は私です。
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